先週の土曜、朝6時に家を出ました。
太田川放水路沿いを走り始めて10分ほどたったとき、ふと気づきました。さっきまで頭の中でぐるぐるしていた仕事のことが、どこかに消えていたのです。
気温は14度で、川面にまだ朝靄が残っていました。対岸の木々が少しずつ緑になっていて、4月の朝はこういう感じだよなと思いながらペダルを踏んでいました。
失敗から覚えた、自分に合う距離感
ロードバイクを始めて最初の春、意気込んで宮島街道まで足を伸ばしたことがあります。片道30km以上。当時はまだ自分の体力を把握できていなくて、補給食もゼリー1本しか持たずに出発しました。
案の定、帰り道で脚が完全に売り切れてしまいました。最後の10kmはほぼ惰性で、家に着いたのが昼過ぎでした。ソファに倒れ込んだら妻に「顔が死んでる」と言われました。
あれ以来、太田川放水路の往復15〜20kmが基本のルートになりました。無理しない距離を決めたのが、続けられた一番の理由だと思っています。
春に体が軽くなる、自分なりの解釈
作業療法士として18年、体と心の動きを仕事の中で見続けてきました。春のライドがなんとなく気持ちいいのには、たぶんちゃんと理由があります。
ペダリングというリズム運動、やわらかい日差し、15度前後の気温。この条件が揃ったとき、脳の状態がじわっと変わる感覚があるんですよね。冬のあいだ縮こまっていた体が、少しずつほぐれていく感じです。
走っているあいだは、信号、路面のグレーチング、後ろから来る車の気配、ギアのタイミング。注意が全部「今」に向きます。仕事の反省も、明日の段取りも、走っている最中は考えようがありません。その強制的な「今だけ」の時間が、思った以上に効いている気がします。
3人子どもがいながら走り続けている理由
土日どちらかの朝1〜2時間が限界のことも多いです。3人子どもがいると、まとまった時間を確保するのはなかなか難しいですね。
それでも走った週と走らなかった週では、月曜の仕事の立ち上がりが違うんです。患者さんに向かうときの集中の持ちかたが、ちょっと変わります。数値で出るわけじゃないけれど、体がそう言っています。
先月、妻に「最近なんか機嫌よくない?」と言われました。自分では気づいていなかったのですが、2週連続で走れていた時期でした。
4月の広島、一年でいちばん走りやすい季節
呉や尾道まで足を伸ばせば景色はもっときれいです。でも太田川沿いを1時間走るだけで、頭の中のごちゃごちゃはずいぶんマシになります。
気温が上がりきる前の今の時期が、一年でいちばん走りやすいと思っています。ロードバイクじゃなくてもいいと思います。クロスバイクでも、ちょっと遠回りする通勤でも、体への効果は十分に出るはずです。
ただ単純に、4月の朝の広島は気持ちいいです。それだけで、走る理由としては十分だと思っています。

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