土砂降りに変わった早朝ライドで、ロードバイクが教えてくれたこと

先週の土曜日、午前5時15分。スマホを見たら天気予報は「午前中くもり、のち雨」だった。

「まあ昼前には帰ってくるし、大丈夫やろ」

そう思って、ボトルにスポーツドリンクを詰めて家を出た。レインジャケットは玄関に置いたまま。このときの自分の判断を、90分後に盛大に後悔することになる。

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宮島街道を南下する朝6時

走り出した頃は、そう悪くなかった。広島市から宮島街道に入って、廿日市方向へ向かう。朝6時前の宮島街道はほとんど車がいなくて、空気がひんやりしていて走りやすかった。海が近づいてきて、潮の匂いが混じり始めた。

心拍数は130bpm台をキープしながら、のんびり脚を回す。今日は距離を欲張らず、廿日市の大野まで往復50kmくらいのつもりだった。

10km地点を通過したあたりで、空の色が少し変わってきた。明るくなるはずの東の空が、やけにどんよりしている。

「あ、これ来るやつや。」

直感でそうわかった。でも止まらなかった。なんとなく、もう少しだけ、という気持ちで漕ぎ続けた。

廿日市で土砂降りに捕まる

JR廿日市駅を過ぎたあたりで、ぱらっと来た。最初は小雨だったが、2〜3分で本降りになった。あっという間に視界が白くなるくらいの雨で、路面があっという間に濡れる。当然ながらレインジャケットは玄関にある。Tシャツ一枚のまま15km地点で立ち往生した。

近くに大きな橋の下があったので、そこに滑り込んだ。ちょうど歩道の幅が広くなっていて、雨を避けられる。自転車を壁に立てかけて、しばらく空を眺めた。

同じように雨宿りしているランナーが一人いた。お互い苦笑いしながら、無言で会釈した。

橋の下で30分、何も考えずにいた

時刻は6時50分。雨はしばらく弱まりそうになかった。スマホで雨雲レーダーを開いたら、真っ赤なやつが北西からゆっくり動いてきていた。抜けるまで30〜40分はかかりそう。

しかたなく橋の下のコンクリートに座って、川を眺めた。雨が川面を叩く音が静かに続いている。対岸に古い民家の屋根が見えて、その向こうに低い山の稜線があった。

こういう時間、嫌いじゃないなと思った。

普段のライドは「○km走る」「心拍○bpm以下で」とか、なにかしら目標をつくって走っている。でもこのとき、目的も予定も全部消えて、ただ橋の下にいた。川を見ていた。雨の音を聞いていた。

作業療法士として18年働いていると、「目的を持った活動」ばかり考えてしまう癖がつく。リハビリでも、日常生活でも、「なんのために」を先に決めてから動く。でもあの橋の下で思ったのは、目的のない30分って、なんか久しぶりだったなということだった。

7時半ごろに雨が弱まったので、来た道を引き返した。帰路は追い風になっていて、宮島街道を北上しながら気持ちよく漕げた。ずぶ濡れのままだったけど、寒くはなかった。

帰ったら妻に言われた

家に着いたのが8時15分。走行距離は30km弱。予定の50kmには届かなかった。

ずぶ濡れのジャージで玄関を開けたら、朝ごはんを用意していた妻がひと言。

「あ、レインジャケット、置いて行ったん気づいてたよ。止めようか迷ったけど、どうせ行くやろと思って」

「正解。でも止めてほしかった」

「え、止めたら怒るくせに」

…まあそれはそう。

結局、今日のライドで何か特別なことを学んだわけじゃない。びしょ濡れになって、橋の下で30分ぼーっとして、帰ってきただけだ。

でも、目的がなくなったあの時間が、なんか妙に頭に残っている。次の土曜日、また雨になりそうだったらどうするかな。たぶんまた行くんだろうな、レインジャケットは忘れずに持って。

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この記事を書いた人

40代パパ作業療法士。ロードバイクでダイエット中。週3〜4回の朝ライドを継続中。

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