先週末、久しぶりに朝ライドに出た。
気温は16度。風は穏やかで、川沿いの桜はほぼ散り切っていたけど、新緑がきれいに出てきていた。
「あ、これだ」
走り出して10分で、そう思った。頭の中がすっと静かになる、あの感覚。
仕事のこと、子どものこと、頭の中でぐるぐるしていたものが、ペダルを踏むたびに薄れていく。春のライドには、それがある。
なぜ春ライドで「リセット」されるのか
作業療法士として17年、身体と心の関係を見てきた。そこから言えることがある。
春のサイクリングが体と心をリセットしやすいのには、ちゃんと理由がある。
①セロトニンが出やすい条件が揃っている
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質で、気分の安定や意欲に関係している。
セロトニンが分泌されやすくなる条件は3つ。
- リズム運動(ペダリングがまさにこれ)
- 太陽光(春は日差しがやわらかくて長い)
- 適度な温度(暑すぎず寒すぎない気温15〜20度がベスト)
春のライドは、この3つがほぼ自動的に揃う。冬の寒さで縮こまっていた身体が、一気にほぐれていく感覚があるのはそのためだと思う。
②「今ここ」に集中できる
ロードバイクで走っていると、信号、路面の状態、周囲の車、ギアチェンジのタイミング……自然と「今この瞬間」に注意が向く。
これは意図せずしてマインドフルネスに近い状態になっている。
仕事の反省も、明日の心配も、走っている間は「後回し」にするしかない。頭が「今」だけに使われる時間は、思っている以上に回復効果が高い。
③身体が疲れることで「切り替え」が起きる
精神的な疲労と身体的な疲労は、リカバリーの仕組みが違う。
頭だけが疲れている状態で布団に入っても、なかなか寝付けないことがある。でも、適度に身体を動かした日は、すっと眠れる。
自転車で身体に心地よい疲労をかけると、その晩の睡眠の質が上がる。これを実感している人は多いんじゃないかと思う。
忙しい40代でも続けられる理由
「サイクリングって時間かかるんでしょ?」
そう思っている人に伝えたい。僕もそう思っていた。
でも実際にやってみると、週1回・1〜2時間でも十分すぎるくらい効果がある。
「完璧なライド」じゃなくていい
子どもが小さいうちは、まとまった時間なんてなかなか取れない。僕も3人子どもがいるので、土日どちらか朝1〜2時間が限界のことも多い。
でも「短くていいから走る」を続けていたら、不思議と「走れなかった週」より「走った週」の方が、仕事も家庭も調子がいい。
完璧なコンディションで長距離を走ることより、短くても定期的に走ることの方が、メンタルへの効果は大きいと思っている。
通勤や買い物と組み合わせる手もある
わざわざ「ライドの時間」を確保しなくても、近所のスーパーへの買い出しを自転車にするだけでいい。
クロスバイクやミニベロなら、子どもの送り迎えついでに少し遠回りする、なんてことも気軽にできる。
「運動のための運動」にしなくていい。移動を自転車にするだけで、体と心への効果は十分に出る。
この春、一度走ってみてほしい
4月〜5月は、サイクリングを始めるには1年で一番いい時期だと思っている。
暑くないから熱中症の心配が少ない。花粉がピークを越えつつある(人にもよるけど)。日が長くなってきているから、仕事終わりにも走れる。
もしロードバイクやクロスバイクを持っているなら、この週末に「いつもより少し遠回りする」だけでもいい。
それだけで、頭の中のごちゃごちゃがずいぶん軽くなる。
僕が17年間作業療法士として見てきた中でも、「運動」は薬にも匹敵するほどの回復効果がある。でも、続かなければ意味がない。
続けやすい、楽しい、しかも効果が高い。春のサイクリングは、そういう運動だと思っている。
こぎだい | 作業療法士17年目・40代パパ。3人の子育てをしながらロードバイクでゆるりとトレーニング中。「ひとこぎ日記」では、忙しい日常でも続けられる自転車ライフを発信しています。

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